文書を改ざんしても辞めない官僚。「検討します」で消える改革。
天皇制と民主主義が当然のように共存する国。
これは日本人の性格ではない。1000年の構造から来ている。
日本は一度も
「権力の完全な交代」を
経験していない
フランス革命は王を処刑した。ロシア革命は皇帝を処刑した。
日本では——誰かが頂点に立つたびに、前の権力を取り込んできた。
誰が決めたか誰もわからない
先例を崩す正統性が生まれない
古い層を廃さず覆いをかけた
誰も単独で責任を負えない
摂関・幕府・天皇が重なり合った構造では、決定の責任を一点に帰せられない。室町幕府の崩壊も「誰が崩した」とは言えない。
既存の権威を残したまま支配するには、その権威の「先例」を尊重するしかない。先例を破る正統性が生まれにくい構造が続いた。
1945年、GHQは天皇制を廃止しなかった。明治維新も天皇を廃さなかった。「完全な交代」が一度もなかったから両者が並立できる。
複数の権力が重なる構造では、単独で決定し単独で責任を取ることが制度的にできない。合議は「安全装置」ではなく構造の産物。
各時代の権力は、下の層を廃止することなく上に積み重なった。右に伸びるほど長く続いた層。この「取り込み」が日本固有のパターン。